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    鼠径ヘルニア(脱腸)の原因は?男性に多い理由を専門医が解説

    田村 卓也 田村 卓也
    鼠径ヘルニア(脱腸)の原因は?男性に多い理由を専門医が解説

    鼠径部(足の付け根)にしこりやふくらみを感じたら、それは鼠径ヘルニア(脱腸)かもしれません。鼠径ヘルニアは男性に圧倒的に多い病気で、なぜ男性に多いのか、その原因には解剖学的な理由があります。このページでは、鼠径ヘルニアの発症メカニズムやなりやすい人の特徴を、MIDSクリニックの専門医がわかりやすく解説します。

    鼠径ヘルニア(脱腸)について詳しく知りたい方はこちら

    • 鼠径ヘルニア(脱腸)の原因と発症メカニズム
    • なぜ男性に多い?解剖学的構造の違い
    • 職業別リスク:建設作業員や力仕事の注意点
    • 年齢別の発症傾向と特徴
    • 日帰り手術による治療法
    • よくある質問と疑問
    執筆者
    田村 卓也

    日本外科学会 外科専門医

    田村 卓也

    大阪うめだ鼠径ヘルニアMIDSクリニック院長 | 川崎医科大学医学部卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。鼠径ヘルニア(脱腸)を中心とした腹腔鏡による日帰り手術に注力し、患者さまの身体的負担を軽減すべく2022年に当院を開院。

    監修者
    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事

    所 為然

    一般社団法人日帰り手術推進機構 代表理事 | 広島大学医学部医学科卒業後、大阪赤十字病院などで臨床経験を積む。身体負担の少ない腹腔鏡下で行う鼠径ヘルニア根治術で、患者さまの早期の社会復帰を実現。鼠径ヘルニア日帰り手術広島アルプスクリニック院長。

    鼠径ヘルニア(脱腸)とは?症状と見た目の特徴

    鼠径ヘルニアは、腹壁の一部が弱くなり、腸や脂肪が鼠径管を通って突出する状態です。本来お腹の中にあるべき臓器が体外に逸脱した状態で、腸が出てくることが多いため「脱腸」とも呼ばれます。

    鼠径ヘルニアの図

    鼠径ヘルニアの主な症状

    鼠径ヘルニアの症状は段階的に現れることが多く、以下のような特徴があります:

    • 初期段階
      • 足の付け根に柔らかいふくらみが出現
      • 立ち上がったり、咳をしたりするとふくらみが大きくなる
      • 横になると自然にふくらみが引っ込む
      • 軽い違和感や鈍い痛みを感じる
    • 進行段階
      • ふくらみが常に存在するようになる
      • 痛みが強くなり、日常生活に支障をきたす
      • 重いものを持つ際に強い不快感
    • 重篤な段階(嵌頓ヘルニア)
      • ふくらみが硬くなり、手で押しても戻らない
      • 激しい痛み、嘔吐、発熱などの症状
      • 緊急手術が必要な状態

    脱腸との違いと正式名称

    多くの方が「脱腸」という言葉で認識していますが、医学的には「鼠径ヘルニア」が正確な名称です。脱腸は俗称であり、鼠径部に発生するヘルニアを指しています。鼠径ヘルニアには外鼠径ヘルニア内鼠径ヘルニアの2種類がありますが、いずれも同様の症状を呈します。

    鼠径ヘルニアの主な原因

    鼠径ヘルニアの発症には複数の要因が関係しています。これらの原因を理解することで、予防や早期発見につながります。

    腹圧上昇が引き起こすリスク

    最も重要な原因の一つが腹圧の上昇です。以下のような状況で腹圧が高まり、鼠径部への負担が増加します:

    • 重労働による影響
      • 重いものを頻繁に持ち上げる作業
      • 長時間の立ち仕事
      • 激しい肉体労働
    • 日常生活での要因
      • 慢性的な便秘による力み
      • 激しい咳が続く呼吸器疾患
      • 前立腺肥大による排尿困難
    • スポーツ活動
      • ウェイトリフティングなどの重量挙げ
      • 腹筋運動の過度な実施

    加齢による筋力低下と組織の弱化

    年齢とともに筋肉や結合組織が弱くなることも、鼠径ヘルニアの重要な原因です:

    • 腹壁の筋肉が衰え、ヘルニア門が開きやすくなる
    • 結合組織の弾力性が失われ、組織が伸びやすくなる
    • 50歳以降で発症率が急激に上昇する傾向

    遺伝的要因と体質の影響

    家族歴も鼠径ヘルニアの発症に関係しています:

    • 家族に鼠径ヘルニア患者がいる場合、発症リスクが高くなる
    • 結合組織の強度に個人差がある
    • 生まれつき鼠径管が広い体質の方は発症しやすい

    なぜ男性に多い?専門医が解説する理由

    鼠径ヘルニアが男性に圧倒的に多い理由には、男性特有の解剖学的構造が深く関係しています。

    男性の解剖学的構造:精巣の移動と鼠径管

    男性に鼠径ヘルニアが多い最大の理由は、精巣の発生過程にあります:

    胎児期の精巣の移動

    1. 男性器である精巣は、胎児期にはお腹の中(後腹膜腔)に存在
    2. 妊娠後期に精巣が腹腔内から陰嚢へと移動
    3. この移動過程で腹壁を貫通する際に「鼠径管」というトンネルが形成

    精巣は陰嚢に収まりますが、精巣に栄養を送る血管や、精子が通る精管は鼠径管を通じて体内とつながったままです。男性の体は鼠径管内に血管や精管が通っているため広く、また弱くなりやすくなっています。

    ちなみに女性では子宮円索という子宮を支える管が通っていますが、鼠径管は男性のものに比べて細くなっています。このことが男性と女性での鼠径ヘルニアの起きやすさの違いになっています。

    男女の発症率の違い(27-43% vs 3-6%)

    統計データからも男女差は明確です:

    性別生涯発症リスク特徴
    男性27-43%約3人に1人が発症
    女性3-6%男性の約10分の1

    この圧倒的な差は、前述の解剖学的要因によるものです。実際に当院で手術を行う患者様も、男性が約90%を占めています

    田村 卓也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    • 男性の解剖学的構造により、女性より発症しやすい
    • 精巣の移動により形成された鼠径管が弱点となる
    • 生涯リスクは男性で約3人に1人と非常に高い

    職業別リスク:建設作業員や力仕事の注意点

    職業によって鼠径ヘルニアの発症リスクは大きく異なります。特に肉体労働に従事される方は注意が必要です。

    重労働によるリスクの増加

    高リスク職業として以下が挙げられます:

    • 建設作業員・土木作業員
    • 運送業・引越し業者
    • 製造業(重機械操作)
    • 農業・林業従事者
    • 警備員・清掃員

    リスクが高まる作業内容として:

    • 重量物(20kg以上)の頻繁な持ち上げ
    • 長時間の立ち仕事(1日8時間以上)
    • 不自然な体勢での作業
    • 急激な力の発揮を要する作業

    実際に建設作業員として働く患者様からは「重い鉄筋を持ち上げた瞬間に違和感を覚えた」「長年の現場作業で少しずつふくらみが大きくなった」といったお話をよく伺います。

    予防のための正しい作業姿勢

    重労働に従事される方でも、適切な予防策でリスクを軽減できます:

    正しい持ち上げ方

    • 膝を曲げ、腰を落として持ち上げる
    • 背筋を伸ばし、腹筋に力を入れすぎない
    • 物体を体に近づけてから持ち上げる
    • 持ち上げながらの回転動作は避ける

    作業中の注意点

    • 定期的な休憩を取る(1時間に5-10分)
    • 作業前のウォーミングアップを欠かさない
    • 適切な作業用具(ベルトやサポーター)の使用
    • 無理な重量の単独持ち上げを避ける

    鼠径ヘルニアの発症には年齢による特徴的なパターンがあります。

    20代男性の鼠径ヘルニア

    若年男性の発症には以下の特徴があります:

    発症の特徴

    • スポーツ活動中の発症が多い
    • 筋力トレーニング中の急性発症
    • 遺伝的要因の影響が強い
    • 症状の進行が比較的速い

    注意すべき活動

    • ウェイトリフティング
    • ラグビー、アメリカンフットボール
    • 重量挙げ系のトレーニング
    • 激しい腹筋運動

    20代の患者様は「ジムでベンチプレスをしていた時に急に痛みを感じた」といったケースが多く見られます。

    高齢者のリスクと特徴

    50歳を超えると発症リスクが急激に上昇します:

    高齢者の発症要因

    • 筋力低下による腹壁の脆弱化
    • 前立腺肥大による排尿時の力み
    • 慢性便秘による腹圧上昇
    • 慢性咳嗽(COPD等)による影響

    高齢者特有の注意点

    • 症状の進行が緩やか
    • 痛みを感じにくい場合がある
    • 嵌頓リスクが高い
    • 併存疾患への配慮が必要

    鼠径ヘルニアの治療法:日帰り手術について

    鼠径ヘルニアは薬物療法では根治できず、手術による治療が必要です。

    手術が必要な理由

    鼠径ヘルニアが手術でしか治せない理由:

    自然治癒しない疾患

    • 一度伸びた組織は元に戻らない
    • 時間経過とともに悪化する一方
    • 保存的治療では根本解決にならない

    嵌頓のリスク

    • 腸管が挟まり血流が阻害される
    • 腸閉塞や腸壊死の危険性
    • 緊急手術が必要になる可能性

    日帰り手術のメリットと仕事復帰

    当院では腹腔鏡を用いた日帰り手術を行っており、多くのメリットがあります:

    日帰り手術のメリット

    • 入院費用が不要で経済的負担が軽減
    • 家族や仕事への影響を最小限に
    • 感染リスクの軽減
    • 慣れた自宅環境での回復

    仕事復帰の目安

    職種復帰時期注意点
    デスクワーク術後2-3日長時間座位は避ける
    軽作業術後1-2週間5kg以下の持ち上げから
    重労働術後3-4週間段階的な負荷増加
    スポーツ術後6-8週間医師の許可後に開始

    建設作業員の患者様からは「思っていたより早く現場に戻れた」「入院しなくて済んで助かった」といったお声をいただいています。

    田村 卓也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    • 重労働従事者も段階的な復帰で早期に仕事に戻れる
    • 予防策を講じることでリスクを軽減可能
    • 症状を感じたら無理せず早めの受診を

    よくある質問

    鼠径ヘルニアは何科を受診?

    鼠径ヘルニアの診療科について:

    第一選択

    • 外科(一般外科、消化器外科)
    • ヘルニア専門外来

    その他の選択肢

    • 泌尿器科(男性の場合)
    • 内科(初期診断)

    当院のような鼠径ヘルニア専門クリニックなら、診断から治療まで一貫して対応できます。

    自分で治すことはできる?

    残念ながら鼠径ヘルニアを自分で治すことはできません

    できないこと

    • 薬での根治
    • マッサージでの改善
    • 運動療法での完治
    • ヘルニアバンドによる根治

    できること

    • 症状の進行を遅らせる
    • 嵌頓の予防
    • 生活の質の維持

    ただし、これらは一時的な対処法であり、根本的な治療は手術のみです。詳しくは鼠径ヘルニアを自分で治すことはできる?をご覧ください。

    田村 卓也 院長

    患者さまが知っておくべきポイント

    • 鼠径ヘルニアは自然治癒せず、手術でのみ根治可能
    • 筋膜は鍛えて強くできないため、メッシュによる補強が必要
    • 嵌頓は予測不可能で生命に関わる重篤な合併症
    • 治療したいと思った時が最適な手術タイミング
    • 早期手術は安全で負担が少ない

    まとめ

    鼠径ヘルニアは男性に多い疾患で、その原因は解剖学的構造、加齢、職業などが複合的に関係しています。特に建設作業員など重労働に従事される男性は発症リスクが高く、早期の診断と適切な治療が重要です。当院では日帰り手術により、患者様の身体的・時間的負担を最小限に抑えた治療を提供しております。

    鼠径部のふくらみや違和感を感じましたら、お気軽にご相談ください。平日は21時まで診療し、土日祝日も診療しております。LINE相談は24時間受け付けており、初診前のご質問にもお答えいたします。